著作一覧
・『シニア右翼』中央公論新社 2022年
久しぶりに実家に帰ると、穏健だった親が急に政治に目覚め、YouTubeで右傾的番組の視聴者になり、保守系論壇誌の定期購読者になっていた――。こんな事例があなたの隣りで起きているかもしれない。中にはネット上でのヘイトが昂じて逮捕・裁判の事例が頻発している。そのほとんどが50歳以上の「シニア右翼」なのである。若者を導くべきシニア像は今は昔だ。これは決して一過性の社会現象ではなく、戦前・戦後史が生みだした「鬼っ子」と呼ぶべきものであることが、歴史に通暁した著者の手により明らかにされる。
・『敗軍の名将―インパール・沖縄・特攻』 幻冬舎 2021年
インパール作戦で上官に逆らって撤退を決断した佐藤幸徳(さとうこうとく)、その配下で1人の餓死者も出さず撤退に成功した宮崎繁三郎(みやざきしげさぶろう)。沖縄戦で大本営の方針と異なる作戦を立案・実行し、米軍を抑え込んだ八原博通(やはらひろみち)。特攻を拒み、独自の作戦で戦果を上げた芙蓉部隊の美濃部正(みのべただし)――戦争という狂気の時代に、なぜ彼らは、暗愚な上官・中央の命令に抵抗し、信念を貫くことができたのか?太平洋戦争を俯瞰しながら、4人の指揮官の決断と行動をたどる。根拠なき精神論・同調圧力・理不尽が跋扈する現代日本への教訓の書。
・『毒親と絶縁する』 集英社 2020年
「教育虐待」とは何か? 気鋭の若手評論家として活躍する著者が、なぜ両親との「絶縁」を宣言せざるを得なかったのか?高校一年の冬に発症以来、現在まで続いている「パニック障害」の恐怖。それを引き起こした原因ともいえる、「教育」の美名のもとでの両親による「教育虐待」。そして結婚を機に両親との過去に正面から向き合おうとした結果、「絶縁」という選択に至った結末……。自らの半生をつまびらかにする衝撃の告白は、著者と同様の体験を持つ読者に向けて、逃げ方と戦い方の範を示す。
・『愛国商売』 小学館 2019年
気鋭の若手評論家の初小説!
南部照一は、孤独な自営業者だった。茨城県取手市在住。猫と車を愛する27歳の平坦な人生は、ネット上のとある出会いによって狂っていく。ひょんなことから保守系言論人の勉強会に参加し、中堅警備会社「シュトケイ」の懸賞論文に応募するや、入選。一躍、保守論壇の新星に祭り上げられ、日本唯一の右派系テレビ局「よもぎチャンネル」レギュラー出演者への道が拓けていく。順風満帆の照一だったが、彼が足を踏み入れたのは、野心と嫉妬が渦巻き、裏切りや出し抜きが横行する下劣な世界だった。論客同士のパイの奪い合いから、思いも寄らぬ襲撃事件が発生した――。◎気鋭の若手論客、古谷経衡氏による初小説。単行本発売時、ネット右翼を騒然とさせた話題作が早くも文庫化! 解説に元外務省主任分析官・佐藤優氏。<小説の体裁を取っているが、右派の論壇人としてデビューした古谷経衡氏にしか書けない優れた社会人類学的作品だ。21世紀の日本で、愛国心を道具にして、排外主義的ナショナリズムが生成していく過程が見事に描かれている。>――解説/作家・佐藤優氏
・『日本型リア充の研究』 自由国民社 2019年
親の財産を受け継ぎ人生イージーモードの「日本型リア充」と、不当に高い家賃を払うために働く非リア充。「日本型リア充」とは、土地本位社会が生み出した、この国の先天的強者なのです。「持たざる者」である非リア充は、どうすれば「日本型リア充」に打ち勝てるのか。非リア充が住むべき土地や、知的戦略に迫ります。
・『女政治家の通信簿』 小学館 2018年
彼女たちの「政治家としての資質」を問う。永田町や霞が関は、今も男性優位と指摘される。財務省のセクハラ問題は氷山の一角。女性の政界進出は時代の要請だ。ただし、昨今、女性政治家の失言や醜聞が俎上にのることも珍しくない。女刺客、○○ガールズ、マドンナ議員。選挙時の「党の華」も、当選後は機会に恵まれず、人知れず散る。女性政治家が活躍するためにも、「女性だから」と重宝するのではなく、「政治家の資質」を問うことが必要ではないか。
・『愛国奴』 駒草出版 2018年
「ちょっと右寄りでオタク青年」という出自をもつ主人公、南部照一。ネットで知り合った友人の手引きで「保守ムラ」の狭い論壇に出入りするようになる。当初は右も左もわからぬ照一であったが、某警備会社が主催する懸賞論文での入選を機に、CS放送局を運営する「保守ムラ」のドン・杉坂義男にスカウトされてキャリアを形成していくうち、いつしか照一自身も保守業界の病弊に蝕まれていくのであった。そのような中、保守論壇をリードする波多野譲と土井賢治の二人の若手言論人が、出演する保守系CS放送の番組放送枠をめぐり対立を始める。その結果、血で血を洗う骨肉の「保守内戦」が勃発……。そこから物語は急展開を見せていくことになる。保守ムラの住人たちはどうなっていくのか。愛国を掲げてカネ、利権、憎悪、嫉妬、報復、狂気が蠢く世界を描いた、著者初めての渾身の長編書下ろし小説500枚。 <本書は2019年に小学館にて文庫化されました>
・『日本を蝕む極論の正体』 新潮社 2018年
極論を目にすることが増えた。政界、教育現場、論壇、職場、メディア……あらゆる場所で左右も保革も関係なく、ちょっと冷静になれば明らかに変だとわかることを声高に主張し、他人を糾弾する「極端な人たち」が目立つ。それはかつての連合赤軍やオウム真理教を想起させる存在だ。「バブル賛歌」「TPP亡国論」「地方消滅」「憲法九条無殺生論」等々、はびこる極論の奇怪さを嗤い、その背景を考察する。
・『道徳自警団がニッポンを滅ぼす』 イースト・プレス 2017年
文春砲、不倫狩り、自主規制……なぜ、彼らは「バッシング」に奔(はし)るのか。なぜ「不倫」報道ばかりに熱狂するのか?なぜアイドルに「恋愛禁止」を求めるのか?なぜ「巨悪」より「不謹慎」を憎むのか?そして、「ネット右翼」「意識高い系」との相関性は?成長なき「中世化」社会の「不寛容」なネット住民この「やっかいな人々」と、どう対峙するか?
・『意識高い系の研究』 文藝春秋 2017年
彼らはなぜ「面倒くさい」のか? 「これは自分の物語でもある」と語る著者が、SNSに巣食う現代人を徹底解剖!カフェでMacを広げ、自己啓発セミナーに熱心に通い、休日はバーベキューやパーティーに繰り出し、その煌びやかな姿をSNSにアップする……。そんな「意識高い系」の人々はなぜ生まれるのでしょうか。そのキーワードは「土地」と「スクールカースト」にあります。容姿とコミュニケーション能力で、学校内での序列が明確に決まってしまう現代社会。学生時代に「スクールカースト」最上位に位置し、承認欲求が十分に満たされた人々のことを「リア充」と呼ぶのは周知の通りです。一方、本書は「リア充」と「意識高い系」の違いを強調します。薄暗い青春時代を過ごした人は、どんなに後の人生において恋人を作ったとて、起業したとて、「リア充」にはなれないのです!むしろ「リア充」は生まれた土地の居心地が良いことから地元を離れず、SNSも使わない閉じた世界の中に居るため、私たちが観測できる華やかな人々は「意識高い系」かも知れません。彼らの生態を徹底的に掘り下げることで、現代社会の抱える問題が見えてきます!
・『アメリカに喧嘩を売る国 フィリピン大統領ロドリゴ・ドゥテルテの政治手腕』 KKベストセラーズ 2017年
ドゥテルテは本当に「暴言大統領」なのか?日本人のためのフィリピン入門書! 知られざるフィリピン苦悩の500年から、大国アメリカにモノ言う大統領誕生まで。激動の東アジア情勢を左右する国の、歴史と展望をダイナミックに描くー
・『草食系のための対米自立論』 小学館 2016年
今、見えてきた日米関係「終わりの始まり」。戦後、アメリカに追随するばかりだった政治的「草食系」の日本人。しかし、北朝鮮に対する「テロ支援国家指定」解除や福島原発事故の「トモダチ作戦」で暴かれた真実は、「アメリカはいざという時、本当に助けてくれるのか」という疑問を生じさせ、日本人に“対米自立意識”が芽生え始めた。この意識は大ヒットしている映画『シン・ゴジラ』にも読み取れる。気鋭の論客が、近年の日米関係を政治や文化の面から検証。「アメリカは同じ価値観を持つ同盟国」という幻想を一刀両断にする。
・『ヒトラーはなぜ猫が嫌いだったか』 コアマガジン 2016年
ヒトラー、蒋介石、ナポレオン、ヴィクトリア女王、プーチン…なぜ世界中の独裁者は猫が嫌いで犬が好きなのか!?「ネコブームには単に“カワイイ"だけではない意味がある」。注目の若手論客が、空前の「猫熱」から日本社会を読み解く!
・『左翼も右翼もウソばかり』 新潮社 2015年
もうウソにはうんざりだ。いかに事実と異なろうとも、人は見たいものを見てしまう。「日本は戦争前夜」「若者が政治に目覚め始めた」「福島はまだ危険だ」「中国はもう崩壊する」……左翼は常に危機を煽り、右翼は耳に心地いい情報だけを信じる。巷にあふれる言説の多くは、論者の身勝手な「願望」の反映に過ぎない。注目の若手論客が、通説・俗説のウソを一刀両断! 騙されずに生きるための思考法を提示する野心作。
・『戦後イデオロギーは日本人を幸せにしたか』 イ―スト・プレス 2015年
私たちが知る歴史はファンタジーにすぎない。インターネット時代の気鋭の論客が、右翼と左翼、それぞれの主張をゼロベースで再検討する。1945年8月14日までの日本は2015年の現在でもまったく連続して継続されている。つまり〈戦後〉は虚構であり、また幻想でもある。つまり本来あるはずのない「時代区分」である。よって「戦後◯年」などというのも、もはや効力を発揮しない。それは戦後を「それ以前の日本」とは独立した存在として扱ってきた言説を前提としているからだ。だから、〈戦後〉とは、「右派的イデオロギー」の言う「打破、解体、脱却すべきもの」でも、「左派的イデオロギー」の言う「ことさら護るべきもの」でもない。逆に言うならば、そのまま受け入れるべき、私たちが生きる時空間、そのリアルの、その地平そのものと言うことができるだろう。(本文より)
・『ネット右翼の終わり──ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか』 晶文社 2015年
ヘイトスピーチを無くすためには何が必要なのか?ネット右翼に対する保守派側からの徹底的な検証
ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか。ネット上にはびこる差別的発言は、なぜ根絶されることなく再生産され続けるのか。この問題を解くためには、「ネット右翼」と「保守」の癒着の構造を理解しなければならない。保守派を自認する若き論客が、ネット右翼たちとのリアルな交流に基づいて世に問う、内側から見た「ネット右翼」の構造分析。「ヘッドライン寄生」「マトリックス史観」などのキーワードを基に、「ネット右翼」の闇を紐解いていく、著者による「ネット右翼」分析の集大成。
・『インターネットは永遠にリアル社会を超えられない』ディスカヴァー・トゥエンティワン 2015年
「インターネットは世論を反映している」という世界観が、いまだに社会にはびこっている。ネットで目立つ言論や、それに対する反応は、氷山の一角として飛び出した存在であり、海面下にはその何万倍もの人々がいる……そんな固定観念は、まったくの誤りなのだ。また、ネットが社会をつなぎ、「新しい価値を創造する」というのも嘘である。古色蒼然たる「ネット万能論」は害悪でしかない。本書は、「インターネットは無効である」ことを、さまざまな角度から点検していく。ネットユーザーの手前勝手な思い込みには疑問を呈し、ネットの声に必要以上に反応し、ありもしない価値を見出してしまう人々に対しては警鐘を鳴らすものである。
・『欲望のすすめ』KKベストセラーズ、2014年
・『もう、無韓心でいい』ワック2014年
・『知られざる台湾の反韓―台湾と韓国がたどった数奇な戦後史―』PHP研究所、2014年
・『若者は本当に右傾化しているのか』アスペクト、2014年
・『クールジャパンの嘘』総和社、2014年
・『反日メディアの正体―「戦時体制(ガラパゴス)」に残る病理―』KKベストセラーズ、2013年
・『ネット右翼の逆襲―「嫌韓」思想と新保守論―』総和社、2013年 |